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停留精巣(睾丸)について(10' 11月)
停留精巣って何?
  お母さんのお腹の中にいる胎児の時代、精巣(睾丸)は腎臓の直下に造られます。完成した精巣は少しずつ陰嚢 に向かって下降し、お誕生のころには陰嚢内に収まります。出生までに下降が完成せず、誕生後も途中に留まっている のが「停留精巣(睾丸)」です。出生時に精巣が陰嚢内に収まっていない赤ちゃんは 5%程度といわれています (そのうち両側とも下降していない例は4割ほどです)。1 歳になっても陰嚢内に収まらない例は1.5%ほどです。
どんな問題があるの?
  停留精巣は死に至るようなものではありませんが、将来不妊症や癌になりやすいといわれています。 不妊症については、片側の停留精巣のばあいは50%に精液の異常がみられ、両側の停留精巣の場合は90%といわれており、 手術により将来不妊となる確率は下がります。癌になる確率はよくわかっていませんが、正常精巣の場合の4〜5倍の頻度 といわれています。
停留精巣の治療は?
 出生時に停留精巣の状態であっても、生後3か月までにほとんどの例で陰嚢内に下降します。逆に言うと、 1歳以降も経過観察を続けても下降する可能性は少ないことが分かってきました。このような事実から、以前は5才くらいま でに手術をすれば良いとされていましたが、現在の手術時期はもっと早まっています。2歳までに手術を行った場合は、 将来不妊となる確率は10%程度と言われますが、3〜4歳での手術では 50%、9〜12歳での手術では90%となります。 したがって最近は停留精巣の手術は、1〜2才の間に行うことが望ましいと考えられています。
その他には?
 なお、気になる症状として「移動精巣」があります。寒いときは陰嚢内に精巣を触れないが、お風呂に入った後などは 陰嚢内に正常の大きさの精巣を触れる場合を移動精巣と呼びます。これは精巣は暖いと下がり、寒いと上がるという 性質があるためです。入浴後正常の大きさの精巣を陰嚢内に触れる場合は、原則として経過観察で良いでしょう。 ただし、年長学童期になっても精巣が陰嚢内に常時下降しない場合は、その時点で手術するか判断することになります。

おねしょ(夜尿症)について(10' 10月)
おねしょ(夜尿症)について
 子供の「おねしょ」はいずれ治るとわかっていても、親御さんにとっては気がもめるものです。特にお母さんにとっては、 布団を干したり、シーツや下着、パジャマを洗ったりしなければならず、天気の悪い日が続いたりしますと 滅入ってしまうこともあります。 夜尿症の原因は?
 おねしょ(夜尿症)の原因は、夜間の尿量増加、膀胱機能障害、その他(混合型)です。尿崩症、糖尿病、脊髄疾患、 先天奇形などの基礎疾患が潜んでいる場合もありますが、このようなことは極めてまれです。「おねしょ」の99%以上は 基礎疾患のない発達段階のものですので、心配はありません。すなわち幼児期の夜間の「おねしょ」は 生理的なもの(発達途上のもの)と考えられるので、経過を見てよいでしょう。 ただ、学童期になっても「おねしょ」が見られるときは、学校の行事などでお泊りの機会もあり、親御さんはもちろん、 本人が強い劣等感を感じてしまうこともあります。したがって、小学校入学の少し前からは夜尿症として治療の 対象となります。
夜尿症の治療は?
 治療の一番の基本は「生活指導」です。水分は飲食後3〜4時間程度で尿となって出てきます。したがって次のような点 に気を付けてください。
 1.夕食と就寝の間は3〜4時間は空けるようにする(夕食をあまり遅く摂らない)。
 2.夕食のメニューは塩分の多いものや濃い味のものは控える(濃い味のものを食べるとどうしても水分を多く取ってしまいます)。
 3.夕食後は水もの(ジュースや牛乳)、果物は控える。
 一般的には夜尿症のお子さんは夜中に起こしてはいけないといわれているようですが、私自身は必ずしも禁止する必要はないと考えています。 寝る前にトイレに行き、さらに親が床に着く前に子供を起こして排尿させることは、夜間尿量の多い子供にとっては明け方に 失敗しないきっかけを作る上で効果はあると考えています。しかし、親がわざわざ夜中に起きてまで子供をトイレに連れてゆく ひつようはないでしょう。
そして薬物治療です。夜尿症に使われる薬には次のようなものがあります。
 抗うつ剤 (睡眠を浅くする)
 抗コリン剤 (膀胱の収縮をおさえる)
 抗利尿薬 (夜間の尿量を減らす)
 漢方薬 (精神的緊張を解きほぐす)
これらの薬剤を単独、または組み合わせて使用します。薬物療法のみで夜尿症が完全に根治するというものではありません ので、生活指導と合わせて使ってゆきます。
いずれにしても、これらは時間をかけて徐々に効果を見てゆきますので、少なくとも3ヶ月くらいの余裕を持って 治療にあたっていただきます。

性感染症(STD)について(09' 5月)
性感染症とは
 性感染症(sexually transmitted disease : STD)は、性行為で伝播するすべての感染症を指し、30種類以上の微生物が関係していることが分かっています。なかでも一般的なものとしては、細菌による梅毒や淋菌感染症、細菌より小さいマイコプラズマおよびクラミジアによる尿道炎や子宮頸管炎、ウイルスによる性器ヘルペス、尖形コンジローマ、エイズ、トリコモナス原虫による尿道炎や膣炎などがよく知られています。これらのうち、特に頻度が多くみられるものについて説明します。

(1)淋菌感染症(淋病)
 淋菌は高温にも低温にも弱く、通常の環境では生存できないため、性行為感染症として人から人へ感染するのが主な伝播経路です。淋菌による感染症は、男性では尿道炎、女性では子宮頸管炎などの性器感染症を引き起こし、重症になると淋菌が管内性に逆流し、男性では精巣上体炎、女性では骨盤内炎症性疾患を引き起こします。最近の傾向として咽頭などの性器外感染症が増加しています。淋菌は近年は各種の抗菌薬に耐性(薬が効かなくなること)を獲得しており、経口抗菌薬による治療が困難になっていて、注射剤が必要なことも少なくありません。
 a)男性淋菌性尿道炎
 感染後2〜7日の潜伏期の後、尿道炎症状(激しい排尿痛、多量の黄白色・膿性の尿道分泌物)が出現します。通常は症状が激しいため、自ら泌尿器科を受診します。
 b)淋菌性子宮頸管炎
 一般的に女性は感染しても無症状のことが多く、感染の自覚がありません。したがって無治療のまま経過し、男性の淋菌感染症の主な感染源となります。パートナーが淋菌性尿道炎の診断がついたら、必ず婦人科にて子宮頸管の淋菌検査を行う必要があります。

(2)性器クラミジア感染症
 クラミジアは細菌より小さい病原体で、トラコーマ結膜炎の病原体でもあります。近年はトラコーマ結膜炎はほとんど無くなり、性行為による男性尿道炎や女性の子宮頸管炎を引き起こすことが多く、性行為感染症(STD)の中で最も多い患者数となっています。性器クラミジア感染症は疼痛や分泌物などの炎症症状が軽く、男性・女性ともに自覚・他覚症状がはっきりしないこともあり、医療機関を受診することなく無症状の保菌者となることがしばしば見られます。しかし女性の場合は容易に腹腔内に浸透し、無症状のままで不妊症の原因となります。腹腔内菌量が多く腹腔内感染が続くと、急な下腹部激痛(急性腹症)を引き起こすこともあります。また妊娠しても流早産や新生児結膜炎、新生児肺炎などの原因となります。このように女性の場合は、男性に比べきわめて複雑な病態となるので注意が必要です。

(3)性器ヘルペス
 性的接触によるヘルペスウイルスの感染により、2〜10日の潜伏期間後に外陰部・性器に浅い潰瘍または水泡性病変を形成する。ウイルスに初めて感染して発症した場合を「初発感染」といいます。本症は薬物によるウイルスの増殖抑制は可能ですが、ウイルスの根絶は困難であり、治療によりウイルスは潜伏してしまうことがあります。その結果、潜伏していたウイルスの再活性化による「再発」または「回帰発症」と言われる再発症も多くみられます。診断は視診が最も重要ですが、血清抗体の測定も行われます。治療は、抗ウイルス剤の内服ですが、発症1日以内に内服を開始しないと十分な効果を得られません。したがって再発を繰り返す場合は、抗ウイルス剤を常時準備しておき、発症したと自己判断したらすぐに内服を開始し、その後泌尿器科を受診していただくこともあります。

夜間頻尿について(08' 10月)
夜間頻尿とは?
 夜間就寝中に一回以上排尿のために起きる場合を夜間頻尿といいます。夜間頻尿は男性、女性を問わず日常生活に最も影響する下部尿路症状です。床に入ってから一回以上排尿に起きるのは40歳台で40%、70歳台では90%以上と言われ、夜間の排尿回数も加齢とともに増加してゆきます。

夜間頻尿の原因は?
 以前は、夜間頻尿は男性の前立腺肥大症の特徴的な症状の一つとして考えられていました。ところが多くの女性も悩んでおり、最近はさまざまな原因があることが分かってきました。たとえば水分の過剰摂取、夜間多尿、高血圧、加齢による膀胱容量の低下と膀胱排尿筋の不随意な収縮(過活動膀胱)、睡眠障害などが考えられています。高齢者では全身の筋肉量の減少とともに、体内の水分保持量が減少します。そのため水分の取り方により容易に脱水となり、また逆に容易に水分過剰となります。最近は、循環動態の改善の目的で、多量の飲水を指導されることが多く、これが高齢者の夜間多尿の原因となっていることも少なくありません。さらに高血圧があると、日中は腎血管の抵抗が亢進し腎血流量が低下していることから、体内の過剰水分は細胞外に貯留することになり浮腫状態となっています。ところが夜間就寝中の安静状態では、腎血管抵抗が低下し腎血流が増えることで尿量が増加すると考えられます。夜間尿量は、健康な若年者では一日尿量の20%程度ですが、高齢者では健康な方でも30%程度に増加します。ところが、心臓機能低下のみられる高齢者では、夜間尿量が40〜50%にも増加します。また加齢に伴い夜間の睡眠の質が低下し、中途覚醒や睡眠効率の悪化がみられるようになります。若年者はたとえ中途覚醒しても排尿せずにそのまま再入眠することができるのに、高齢者では、夜間尿量の増加や膀胱容量の減少などから、排尿に起きることになります。

夜間頻尿の問題点は?
 夜間頻尿があると、熟睡感がないのはもちろん、身体的健康感、精神的健康感が不良となります。また暗い部屋をふらついてトイレに行くことから転倒、骨折の危険性も高くなります。結果的に、夜間頻尿のない高齢者に比べ死亡率も3倍近く高くなることが報告されています。

夜間頻尿の診断と治療は?
 夜間頻尿の原因を一つに特定することは困難ですが、一日の水分の取り方、昼寝の有無、夕食の時間、就寝時間などの生活習慣を調べます。残尿量の測定、前立腺の触診(直腸診)、検尿(顕微鏡)による尿路炎症疾患の有無、排尿日誌による昼間と夜間尿量の確認などが必要です。これらの結果から原因に応じて、治療法を組み合わせて治療計画を立てることになります。

腹圧性尿失禁について(08' 8月)
 日常の生活の中では、尿を排出している時間はきわめて短く、24時間のうちほとんどは蓄尿の状態ですごしています。この蓄尿機能が障害されるといわゆる「蓄尿症状」が発症し、生活の質(QOL)を極めて悪くしています。蓄尿症状のうち尿失禁は特に女性に多くみられ、40歳以上の女性の方では、軽症の方も含めますと、実に1500万人の方が尿失禁に悩んでいます。

 尿失禁の主なものは 切迫性尿失禁、腹圧性尿失禁です。切迫性尿失禁は、5月の「今月の疾患解説」で述べました「過活動膀胱」のときの失禁です。膀胱の異常収縮による突然の耐えがたい尿意でトイレが間に合わないとチビッテしまうというものです。一方、腹圧性尿失禁は、咳きこんだ時、重いものを持ち上げた時、階段を上り下りした時などお腹に力がかかった時に思わず尿を漏らしてしまうものです。これは膀胱の異常というよりも膀胱を支える骨盤低筋や尿道括約筋が弱くなったものです。骨盤底筋の緩みの原因は、妊娠・分娩による骨盤底筋の損傷、加齢・更年期・肥満などによる女性ホルモンの低下が尿道周囲組織をゴムのような弾性の低下させること、子宮摘出術などが原因と考えられています。

 治療には、骨盤底筋体操、薬剤、手術があります。 骨盤底筋体操は、意識的に肛門、尿道、膣の周りの筋肉をできるだけ長く5-10秒締める体操を20-30回繰り返します。次に同じく短く0.5-1秒の間隔で締める体操を20-30回繰り返します。これを一セットとして、一日3セット以上行うようにします。2カ月ほどで効果を実感できます。薬剤は、膀胱の収縮を抑える薬と尿道括約筋を収縮させる薬を組み合わせて使います。しかし、薬剤はあくまでも骨盤底筋体操の補助手段と考えるべきものです。骨盤底筋体操や薬剤で改善が見られない場合は比較的侵襲の少ない外科的治療もあります。

過活動膀胱について(08' 5月)
 今までは、年齢を重ねるにしたがって、我慢できないような強い尿意を急に感じたり、時にはおしっこをチビってしまったりすることがあります。本人も御家族も「年のせい」として諦めていることが普通でした。しかし、このような症状があると、自尊心も失われ外出を控えることも多くなり、御高齢の場合は認知症が進むこともあります。最近は、このような症状について一つの疾患として考えるようになり、「過活動膀胱」と呼ぶようになりました。「過活動膀胱」の定義は「尿意切迫感があり、通常は頻尿および夜間頻尿をともない、切迫性尿失禁を伴うこともあれば、伴わないこともある状態」とされています。この「尿意切迫感」や「切迫性尿失禁」とは次のような内容です。    

「尿意切迫感」:急に起こる、抑えられないような強い尿意で、我慢することが困難なもの。  
「切迫性尿失禁」:尿意切迫感と同時または尿意切迫感の直後に。思わず尿が漏れてしまうという訴え。

 これらの症状を訴える「過活動膀胱」に対しては、膀胱の収縮を押さえる抗コリン剤という薬が開発され、それなりの効果を発揮していますが、神経作用薬剤ですので、いくつかの副作用もあります。単におしっこが近いからということでこの薬を使いますと思わぬ副作用(尿閉や便秘など)が出ますので、泌尿器科専門医と相談しながら使う必要があります。

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