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女性の急性膀胱炎と温水洗浄便器(ウォッシュレット、シャワートイレ等)

 温水洗浄便器はとても快適で、愛用している方は少なくないと思います。私も愛用者の一人ですが、外国に行くと温水洗浄便器の無いことが普通であり、そのために外国旅行には二の足を踏んでいるといっても過言ではありません。また、日本の各地のホテルを選ぶ際にも温水洗浄便器の設備があることを条件にして選択しています。私は、この設備は排便の後に使うものだとばかり思っていましたが、女性の中には、特に高齢の女性では、排尿の後に温水洗浄便器を使っている方がおられるようです。外陰部を清潔にしようという目的で、排便後に利用するのはもちろんですが、その際に尿道口の方まで洗浄したり、排尿だけの時にも利用したりするようです。ところが、このような温水洗浄便器の使用の仕方が、急性膀胱炎の誘因になっていることがとても多いのです。高齢の女性で急性膀胱炎を繰り返す方に、排尿後に温水洗浄便器を使っていますかと聞きますと、ほとんどの方が使っているとお答えになります。女性の尿道は、外尿道口から膀胱までの距離はとても短く、4~5cmしかありません。ここに圧力をかけた温水をかけますと、必ずしも滅菌水ではない水道水はもちろん、外陰部に常在する色々な雑菌を膀胱内に押し込むことになります。したがって温水洗浄便器を使う場合は次のことに注意して使ってください。                                                                       1. 排尿だけの時は温水洗浄を行わない。                                               2. 排便後に温水洗浄を行う場合は、尿道口の方まで温水をかけないようにする。                       

 温水洗浄便器は、世界に誇る日本の発明です。一度使ったら、二度とやめられないといっても過言ではありません。ただし女性の場合、排尿・排便の後、尿道口まで洗浄するのは絶対にやめましょう。

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