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おねしょ(夜尿症)について

おねしょ(夜尿症)について
子供の「おねしょ」はいずれ治るとわかっていても、親御さんにとっては気がもめるものです。特にお母さんにとっては、 布団を干したり、シーツや下着、パジャマを洗ったりしなければならず、天気の悪い日が続いたりしますと 滅入ってしまうこともあります。 夜尿症の原因は?
おねしょ(夜尿症)の原因は、夜間の尿量増加、膀胱機能障害、その他(混合型)です。尿崩症、糖尿病、脊髄疾患、 先天奇形などの基礎疾患が潜んでいる場合もありますが、このようなことは極めてまれです。「おねしょ」の99%以上は 基礎疾患のない発達段階のものですので、心配はありません。すなわち幼児期の夜間の「おねしょ」は 生理的なもの(発達途上のもの)と考えられるので、経過を見てよいでしょう。 ただ、学童期になっても「おねしょ」が見られるときは、学校の行事などでお泊りの機会もあり、親御さんはもちろん、 本人が強い劣等感を感じてしまうこともあります。したがって、小学校入学の少し前からは夜尿症として治療の 対象となります。
夜尿症の治療は?
治療の一番の基本は「生活指導」です。水分は飲食後3~4時間程度で尿となって出てきます。したがって次のような点 に気を付けてください。
1.夕食と就寝の間は3~4時間は空けるようにする(夕食をあまり遅く摂らない)。
2.夕食のメニューは塩分の多いものや濃い味のものは控える(濃い味のものを食べるとどうしても水分を多く取ってしまいます)。
3.夕食後は水もの(ジュースや牛乳)、果物は控える。
一般的には夜尿症のお子さんは夜中に起こしてはいけないといわれているようですが、私自身は必ずしも禁止する必要はないと考えています。 寝る前にトイレに行き、さらに親が床に着く前に子供を起こして排尿させることは、夜間尿量の多い子供にとっては明け方に 失敗しないきっかけを作る上で効果はあると考えています。しかし、親がわざわざ夜中に起きてまで子供をトイレに連れてゆく ひつようはないでしょう。
そして薬物治療です。夜尿症に使われる薬には次のようなものがあります。
抗うつ剤 (睡眠を浅くする)
抗コリン剤 (膀胱の収縮をおさえる)
抗利尿薬 (夜間の尿量を減らす)
漢方薬 (精神的緊張を解きほぐす)
これらの薬剤を単独、または組み合わせて使用します。薬物療法のみで夜尿症が完全に根治するというものではありません ので、生活指導と合わせて使ってゆきます。
いずれにしても、これらは時間をかけて徐々に効果を見てゆきますので、少なくとも3ヶ月くらいの余裕を持って 治療にあたっていただきます。

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